ビル改修コラム

マンション大規模修繕やビル改修工事におけるタイル張り外壁補修の重要性と費用

マンション大規模修繕やビル改修工事におけるタイル張り外壁補修の重要性と費用
築年数の経ったマンションやビルの外壁は定期的なチェックが欠かせません。現在、マンションやビルの外壁は「タイル張り」になっているケースが多く見られます。
タイル張りの外壁は経年によって劣化が生じ、美観を損なうだけではなく、浮きや剥がれによって落下する危険性が伴います。破損や欠損が起きている場合は、特に注意が必要です。定期的にチェックし、大規模修繕のタイミングでしっかり修繕しておく必要があります。
今回は、タイル張りの外壁補修の重要性や費用について紹介していきます。
外壁タイルの補修が必要な理由
外壁タイルの補修が必要な理由
マンションやビルの外壁に使われているタイルは経年劣化によって、ひび割れや浮きが目立つようになり、そのまま放置するとタイルが剥がれ落ちてしまい、大きな事故にも繋がりかねません。
美観だけでなく、人命にも関わるものになるため、外壁タイルの補修がとても重要です。
建築基準法において、新築時における図面の確認や現場での検査を行うほか、使用(入居)開始後においても、一定の規模・用途の建築物については、定期的(6ヶ月~3年に一度)に専門の資格者による検査を行い、その結果を報告することを所有者に義務づけています。
また、建築物の外壁のタイル等については、剥落の有無等を確認するため、手の届く範囲の打診、双眼鏡などによる目視を行うとされています。
また、マンションやビルの完成から10年経過すると「外壁全面打診調査」が義務化されます。
「外壁全面打診調査」とは、簡潔に言うとマンション完成から10年が経過もしくは外壁の改修工事から10年経過したときに取り組むことが義務化された外壁の調査のことです。
外壁打診調査や定期報告を怠ることは法令違反として扱われ、罰金となります。
しかし、打診調査は義務化されている定期報告のためだけに行うものではありません。
最も重要なのは、大きな事故が起きないために事前に点検をし、対策を講じることです。
外壁タイルの劣化症状が生じる原因
外壁タイルの劣化症状が生じる原因
何故、外壁のタイルが浮いて、剥がれ落ちてしまうのでしょうか。
その理由は外壁のタイルの下地部分にあります。
下地のコンクリートは、水分を吸収する性質があるため、そのままですと建物の耐震性が損なわれます。
そのため、建物そのものを守るために外壁のタイルが下地のコンクリートに貼り付けられているのです。なので、コンクリートの上には塗料など何かしらの仕上げ材が塗布されています。コンクリート打ちっぱなしの建物に見えても、表面には撥水系の塗料などが塗布されています。
しかし、経年によってタイルを貼り付けているモルタルの接着力が弱くなることで浮きや剥がれが生じてきたり、施工不良で浮きや剥がれが生じてくるケースもあります。
外壁タイルは耐久性が高い素材ですが、タイルを張り付けているモルタルが気温の変化によって膨張と収縮を繰り返すことで接着が弱くなってしまうのです。
また、大地震や台風など自然災害によって、劣化する要因になることもあります。
施工不良で浮き剥がれが生じるケースはこちらをご覧ください。
ビル改修でのタイル補修工事の補修費用
ビル改修でのタイル補修工事の補修費用
ビル改修でのタイル補修工事の見積りは、一般的に外壁全体の3%程度が必要になり、その面積と%により見積り金額を計算します。
ただし、実際にオーナー様にお支払いいただく補修金額は、「実数精算方式」によりお支払いをしていただきます。
「実数精算方式」は、外壁タイルの打診調査によって浮きやひび割れなど補修が必要な箇所を確認して、その補修箇所が決まってから実費を精算するという方式です。
概算で3%程度の予想であっても、実際には外壁全体の5%となることも珍しいことではありません。逆に外壁全体の1%を下回ることもあります。
そのため、見積り金額よりも実際の金額が高くなるor安くなる可能性があります。
補修用の外壁タイルは特注になることも多い
補修用の外壁タイルは特注になることも多い
外壁タイルの張り替えでは、新しい外壁タイルを用意しておく必要があります。
既存の外壁タイルと同じものやデザイン・色など同じものを用意したいところですが、
築年数が10年を超えるビルになると、同じタイプの外壁タイルは廃盤になっていることが多く、既存や在庫品のタイルで対応ができない可能性が高いです。
そのようなことから、補修用の外壁タイルは事前に特注するケースもあります。
色合わせ、風合いを同じものにするため、おおよそ3か月から4か月程度の日数が必要になる場合もあります。
タイルの特注製作、特注焼きについてはこちらをご覧ください。